小話とかネタとか簡易的なのとか何かしら思いついたのとか書き連ねます。
むしろ発散場です。
ネタバレはものすごい勢いです。配慮無しです。ご注意下さい。
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学パロネタ3:三竦み/須さん宅・島津歳久さんお借り
(きっと一番美味しい立ち位置かなと思うんです!)
つづきより、小話
――― 1年B組。料理部所属:島津歳久の場合。
彼は悩んでいた。黒梟と同様に部活の入部先が決まらないのだ。
しかし理由は黒梟とはまったく別だった。
彼は様々な部活を一度見学しては、ここにしよう!と決め、次に回ればそこもまた面白そうだと思う。
見ればすぐに興味を示し、どこも面白そうで楽しそうと感じてしまえば、いったいどこに入ればいいのだろうかと選びきれない状況に悩んでいるようだ。
一通り周りきり、さてどこに入ったらいいのだろうかと悩み始めて数日。
そろそろ決めなければ。提出期限も迫っている。
もう一度まわってみて、それで決めてみようか。それとも勘に頼ってみようか。
掛け持ちもできないわけではないが、文化部と運動部を一つずつという制約もあるし、さすがに掛け持ちはできない。
一つに絞りきらなければならない苦悩とは、ここまでだったのかと選ぶという行為の難しさをかみ締めながら、廊下を歩いていれば目の前の家庭科室から出てきたのは、隣のクラスの男子、黒梟だった。
歳久と黒梟は互いの存在を認識はしていたが、直接的なコンタクトを取った事が今までになかった。
友人に会いにC組へ行けば、眠いのかよく眠っている。
その際に出会った陽月に声をかけて話している時には黒梟は、その姿すら見えないときが多い。
その逆で歳久が教室移動で歩いているとき、遠目に黒梟と陽月が話しているのを見たことがある。
歳久は陽月へ恋をしている。
それを隠すつもりもないが堂々と公言しているわけでもない。
だが彼の行動を見ていれば、それは手に取るように分かる。その思いに陽月本人が気付いているかどうかは別だが。
陽月とのつながり、その延長線上によく姿を見る黒梟を気にしだしたのは何時ごろからだろうか。
それは本人すら忘れた。
次第に話をしてみたいといった、黒梟への興味も彼の中で芽生えたが、しかし何故か互いにタイミングが合わず今までまともに話ができたためしがない。
今、それを断ち切るチャンスでもあった。
歳久は深く考えず、すぐに黒梟に声をかけた。
突然の事に黒梟は驚き振り返れば、歳久も少し驚いた顔をしていた。
黒梟もまた歳久の事を遠目から何度か見かけたことがあるが、歳久ほど相手に興味を持っていたわけではない。
そんな黒梟の内心など知る由もなく歳久は、今黒梟が出てきた家庭科室と、彼の持っている入部届けを見比べて一つの結論に至った。
黒梟は料理部に入るのだと。
それは大きな間違いであったのだが、歳久はそれに気付かない。
どの部活も楽しそうだったが、彼と同じ部活に入るのもきっと楽しい。今まで話をしたことがない分、これから同じ部活で話をしたり同じものを作ったりしていくのを想像するだけですでに楽しいのだから。
一人で思考が先走っている歳久をいぶかしむように見つめる黒梟は、声をかけるかどうか悩みながらそっと声をかけた。
その瞬間、がっしりと黒梟の肩を掴み曇りのない目で見つめてはっきりと述べた。
――― 同じ部活でこれから頑張ろう!!
あっけに取られた黒梟は反論する暇すら与えられず、気付けば白紙の入部届けは奪い取られていた。
歳久としては受け取ったと認識しているが、そこから互いの思考の噛み合わせができていない。
まだ入部先名を書いていないのに気付いた歳久は、しっかりと「料理部」と書いて二人分を提出した。
それから部活のある日はC組へ黒梟を迎えに行く歳久の姿がよく見られるようになった。
--- EnD
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唯斗(ゆいと)
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非公開
自己紹介:
よく簡易的なのとか突拍子もなくネタとか思いつきます。忘れないためとか衝動的なものとかもあるから、発散場所を常に求めて三千里(違)
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